ととのい
体、頭を勢いよく、丁寧に洗い流しこれでもかというくらい水を飲みまくる。
そして体から綺麗に水を拭いたら準備は整った。
さぁ、いこーか。
ドアに手をかける。
素人の私は10分間その空間に座る。
熱い水蒸気に積まれたその空間は僕の心も包み込んでくれる。優しく丁寧に。
それに反応したかのように、汗が出てくる。
好きな音楽を頭の中で流す。
骨まで溶けるような
テキーラみたいなキスをして〜♪
骨まで溶けるようなキスしたいが
童貞インキャ脳の私はテキーラすら飲んだことがない。どんな味がするのだろう。多分だがテンションで飲むもので味わうものでは無いという認識だ。
ダラダラと腕に流れる液体を見つめ、時計を見る。
おれの中のユーミンが涼しげな顔で熱唱しているがこっちは灼熱地獄だ。
さぁ、10分経ちドアに手をかける。
シャワーで汗を流した私は一目散に水風呂に入る。
あぁ、気持ちが良い。
なんて気持ちが良いのだろうか。
水風呂に2、3分使った後、ベンチに座り何も考えず過ぎゆく時間を嗜む。
何もしていないのに気持ちが良い。
これをととのいというらしい。
あぁ、ととのいたい。
次の休みはサウナにでも行こうか。
誰かおれの心をサウナのように熱してくれ。