待ちに待った健康診断
自宅からの出勤。距離が少し離れている。
それは車で約1時間。
病院も職場のすぐ近くだ。
検尿を病院で取るのだが、朝どうしてもトイレに行きたくなり行ってしまった。
何事もなく病院へ着き、まず検尿を取るらしい。
出るかどうか心配になりながらトイレに向かう。
重いドアを開いた先には……。
あれ、おばちゃんがいる。
気まずそうにおばちゃんは口を開く。
「お兄ちゃん、男子トイレあっちだよ…。」
あ、すんません。
としか言えなかった。
素で間違えた。
そんな小さなハプニングもありつつ、個室に入るがこれがまぁ出ない。
5分くらい格闘したがほんの少ししか出なかった。
なぜあの時、家でしてしまったのだろう。
後悔しても遅い。
看護婦に伝えると数滴で大丈夫ですと。
少し安心した。
色々な検査を終えて待たされた問診。
先生を目の前に椅子に座り服をあげる。
その時、その瞬間、気づいてはいけない事実に私は気付いてしまった。
チャックが…空いてる…。
先生のチャックが空いてる。
辛うじて中は見えなかったが確かに空いていた。
この健康診断を通して色々なことを学べた気がする。
女子トイレには入ってはいけないこと。後悔しても遅いこと。チャックは閉めた方がいいこと。
身長が2ミリ程伸びていた。
その2ミリが心の大きさに比例する事を願って。